千曲川氾濫における原因と考察

こんにちは、夜の太陽です。

 

2019年10月12日に起きた、台風19号による千曲川氾濫の原因と考察をしていきたいと思います。

 

私は、現在長野市に在住しており、実家は長野県の東側、俗にいう東信地区にあります。有名どころを挙げると、軽井沢やサマーウォーズ真田丸で有名な上田市があるあたりです。がっつり千曲川沿いに今まで住んできました。さいわい、私を含む親族に被害は今のところありませんでしたが、友達の家が浸水してしまいました。また、逃げ遅れてしまい自衛隊に救助された方も大勢いいました。

今回多くの被害をもたらした台風19号、どうしてこんなにも川による被害が増えてしまったのでしょうか。

千曲川とは

まず初めに、千曲川について説明します。

 

知らない人にも説明しますが、千曲川信濃川です。長野県内では千曲川、長野から出て新潟に入ると信濃川になり、日本海に注がれるという不思議な川です。

 

全長367kmあり日本で最も長い川です。

 

流域面積は、利根川石狩川に続いて3位で11900㎢あります。

*流域面積とは、その川に対して、雨や雪が集まる範囲の面積のことです。

 

千曲川の源流は、埼玉県・山梨県・長野県の県境に位置する南佐久郡川上村です。これに、八ヶ岳関東山地からの河川が合流しつつ、北上していきます。また飛騨山脈を源流とした犀川とも、長野盆地(善光寺平)周辺で合流をします。

 

簡単に言えば、たくさんの山から流れ出る川が集まった川、ということになります。ポイントなのは、流域面積での山間部の割合が大きいというところです。(つまり長野は田舎)

 

台風19号の特徴

特徴として、台風を取り巻く活発な雨雲が非常に大きかったことです。これにより雨雲が長い時間かかり続け、強い雨が降り続いてしまい記録的な大雨となりました。

 

また、関東に直撃をしました。

 

太平洋上の高気圧や偏西風の影響で、太平洋上を北上した後、東に進路を変えたため関東を中心に大雨に加え暴風が発生しました。

 

台風の進路と千曲川の源流

千曲川での水害の原因は、台風のたどった進路です。

台風は伊豆半島付近から上陸し、関東や東北を北東へ横切るように縦断。これにより内陸の山間部に向けて、湿った風が強烈に吹き付けました。

風は、長野県や群馬県、埼玉県の県境付近の山にぶつかり上昇気流となって大量の雨を降らしたと考えられます。

前述したとおり、その辺りは千曲川の源流があり水量が急激に増えた可能性があります。千曲川氾濫の要因の一つと思われます。

 

長野県最強伝説

例年の台風では、周囲の県が注意報や警報を出している中、長野県は何も発令がされなかったことがあります。ニュースやTwitterで、長野県だけ警報・注意報の色が違う画像を見たことがある人もいると思います。

地理的に長野県は3000m級の山々に囲まれており、台風による被害は少ないです。あっても収穫前のリンゴが落下してしまう被害がほとんどです。

 

19号では、千曲川源流付近に大量の雨が降ったと書きましたが、静岡県や神奈川県に比べると雨量は、実は半分程度しかありませんでした。

 

日本列島に上陸し、長野県に接近する台風のほとんどが日本アルプスにぶつかり進路を変更するか勢力が衰えます。たぶんですが、小さい台風に限られると思います。

 

河川の地形などは、基本的に雨などによる気候条件に左右されます。つまりは雨が多い地域では、自然も天候に対応します。もともと雨が少ない長野県では、相対的な雨量が少なくても、河川の氾濫などの危険性はより大きくなると考えられます。

 

河川の川幅が狭い

決壊したのは長野市穂保地区の千曲川左岸の堤防です。この堤防は2007年に幅を2.5倍ほど広げる工事を位置でした。

 

そこから少し下流に行ったところの中野市立ケ花では、川幅が狭くなっており、決壊した位置は逆流した水が入り込みやすい地形をしていました。

決壊地点は堤防と反対の堤防までの幅が約1000mありますが。立ケ花付近では200mしかなく、水位が上がりやすくなります。つまりは立ケ花の上流側にはより大きな水圧がかかります。

 

堤防に水圧がかかり、また越水したことで堤防が削られていき結果として決壊につながったと思われます。

 

長野市の降水量は多くなかった

10月12日の長野市での降水量は、多かったわけではなかった。

 

気象庁の出しているデータによると、20時頃から雨は落ち着いていました。

自分も体感的には、強風によって強い雨が降っている程度で、雨量は多いなとは感じませんでした。やはり長野最強なのか、、、と思いました。

 

千曲川上流に位置する、佐久市のデータを見ても降水量は長野市の1.5倍ほどありましたが、21時以降は雨は落ち着いて風が強まりました。

 

つまりは、日付が変わるころは長野県全域で雨量はそこまで多くはなかったといえるでしょう。

千曲川の水位

上に書いてある通り、県内での雨は21時を過ぎたあたりから落ち着き始めました。

 

雨は市街地ではなく山間部に断続的に降りました。山に降った雨は、地面に吸収され土の中を通ってしみだして河川に流れ出ます。つまりは、雨が降ってすぐに河川の水位が上昇するのではなく、ある程度のタイムラグが存在します。

 

千曲川の水位は午後3時ごろから上昇し始めました。あめが落ち着き始めた21時を超えても毎時の水位上昇量は変化なく午前3時頃にピークとなりました。

 

長野市穂保の堤防は午前2時ごろ、決壊されたとみられています。

 

逃げ遅れた人々

ニュースや動画サイトにおいて自衛隊が逃げ遅れた市民を救出するシーンを目にした人も多いと思います。

 

原因としては前述したことがほとんどです。長野県では台風の被害がほとんどない、台風によってはよけてっちゃう、うちの周り(長野市)はいつもと変わらないくらいの雨だし、落ち着いてきたし、決壊なんてしないでしょ。

 

こういった要因が、「自分たちは大丈夫」と思い込む意識が働いてしまったのでしょう。結果として住民は、床上浸水にあい、取り残されてしまったのではないのでしょうか。

 

まとめ

今回の台風19号では河川が氾濫し被害が出てしまいました。

千曲川に限られた話もありますが主に、

  • そもそも台風19号が大型で非常につよい
  • 関東を通過したことによって、山間部に大量の雨が降った
  • 千曲川などの河川の源流付近や流域に雨が降った
  • 長野県は台風による水害をあまり経験していない
  • 川幅が狭い箇所があり、堤防が削られやすい位置であった
  • 長野市での降水量は多いわけではなかった

があげられます。

簡単にまとめれば、

 

長野県は油断していた

 

と私は考えます。私も含めてですが。

 

今後、同じような被害にあわないためにも、川の近くに住んでいる人は、台風や雨などに十分注意し、市町村からの警報や避難勧告に従うようにしましょう。

特に、自分がどんな川の近くにい住んでいるのかはっきりと理解しておきましょう。どこに雨が降るとまずいのか、どの位置で氾濫や、堤防の決壊がしやすいのか、確認をしておきましょう。この記事を見て、今後の何らかの対策に役立てていただけたら幸いです。

 

最後に、不慣れな部分が多く、読みにくいなどがあると思いますが、最後まで見ていただきありがとうございました。